3月30日、春休みワークショップ「職人に学ぶ凧作り」を開催しました!
会場は、秋田県大仙市にある高梨商店 @takanashistore 。

古民家を改装して3年前にオープンしたこちらのレストランは、広い和室が広がっているので、ワークショップに最適でした。
春休みということで、5歳の子どもから70代までたくさんのお申込みがあり、予定していた定員枠を増やしての開催となりました。

講師は、凧作り歴 60年になる小野育朗(おの・いくろう)さん。
秋田県湯沢市で古くから受け継がれる「湯沢凧」を製作し、湯沢凧同好会の会長を務められています。

先ずは、湯沢凧の歴史や特徴について、教えていただきました。
江戸時代からの歴史がある湯沢凧には、武者絵凧とまなぐ凧の2種類があり、今回はまなぐ凧作りに挑戦します。
まなぐ凧の特徴は、墨一色で描かれているところと、インパクトのある図案です。

実演を交えながら、「ここが鼻」「ここが上唇」「これが歯(らしきもの)」「これは角(といわれているもの)」など、部位や描き方について確認します。
そして、いよいよ絵付けに挑戦!



墨での絵付けは、緊張の連続でしたが、和紙の下に敷いた見本をなぞるように描いていきます。
凧の下部には「春風」という文字が入りますが、大人からは「文字より、絵の方が難しい…」という声も。なにより、左右対称に描くのが難しく、度胸と、慎重さと、筆さばきが試されるようでした。

絵が完成したたら、ランチタイムでひと息。
(ランチの写真を撮り忘れてしまったのですが…)この日の高梨商店ランチは、台湾料理のルーローハンで、スパイスが効いた風味豊かな美味しさで、身も心も癒されました。手作りコーラも美味しかったです!
午後の部は、背面に竹の骨組みを取り付けます。

湯沢凧の骨組みは、シンプルな構造が特徴で、縦に1本、横に3本しかありません。
それゆえ、縦は中心線をまっすぐ、横はしっかり水平(平行)に付けないと、凧のバランスが崩れてしまいます。指で糊を塗りながら、慎重に取り付けます。
最後は、凧糸を付ける作業を。これが簡単そうで、難しい…!

小野さんに何度も、結び方を教えてもらい、試行錯誤しながら結んでいきます。

長い工程を経て、ようやく完成~!!
この日は晴天だったので、できあがった凧を持って向かいの校庭に行き、みんなで凧揚げに挑戦です。
「凧を上げるのなんて、数十年ぶり!」という方もいましたが、むじゃきに凧を上げる姿は本当に楽しそうでした。
湯沢凧(まなぐ凧)には、頭部に「うなり」とよばれる音を鳴らす部位が付いているので、風を受けてブンブン音が鳴ります。

この日は風が弱かったのですが、なかには凧を上げながら糸をグイッと引いて、ブンブン!と音を鳴らす技を習得した子もいて驚きました。
「春を呼ぶ凧」ともいわれる「まなぐ凧」ですが、風を全身で体感しながら大空を見上げる時間は、爽快で心地が良いものでした。

1日がかりのワークショップでしたが、お天気にも恵まれ、楽しく濃厚な時間でした。
講師の小野さんは、凧作りの作業が時間内に終わるように、細やかな下準備をしてきてくださり、本当に感謝しかありません。
ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
またいつか開催できたらと思います。