オンラインショップにイタヤ細工が入荷しました。

イタヤ細工とは、イタヤカエデの若木で作られた編組品のことで、秋田では箕(み/穀物の選別など振るい分けるための農具)やオボキ(物入)やかっこべ(腰かご)などが作られ、暮らしに欠かせない日用品として親しまれてきました。
・「秋田の箕について」 過去のブログ→こちら(2021.10.21)
・「秋田のお正月飾り」 過去のブログ→こちら(2022.1.1)
今回オンラインショップでご紹介するのは、「雲然のイタヤ細工」と「太平のイタヤ細工」。
雲然(くもしかり)は、仙北市角館町雲然にある佐藤定雄さんの工房によるもので、太平(たいへい)は秋田市太平の田口召平さんによるものです。
同じ材料とはいえ、編組品はやはり十人十色。同じような形を作っても、特徴やこだわり要素が異なりますので、ぜひこの機会に見比べながらそれぞれの良さを感じていただけたらと思います。




佐藤定雄さんの工房やイタヤ細工について詳しくご紹介したフリーペーパー「いま、秋田村から vol.5」は、下記のkindle本でお読みいただけます。

田口召平さんによるイタヤ細工は「太平のイタヤ細工」としてご紹介しています。



田口さんが作るイタヤかごは「材料を切るのがもったいなくて、つい深めのかごが多くなってしまう」そうです。
近年はイタヤカエデも採取が難しくなっており生産数に限りがあるため、材料を大切に、大切に、紡いでいるようです。(でも今回は、浅めの四角かごもおひとつだけ作れたということで、ご紹介しています。)
工房におじゃました2月は、秋田はまだ雪が多い時期。
でも、雪のなかを颯爽と歩く田口さんの姿がとてもかっこよくて、一枚写真を撮らせていただきました。

「どんな人に使ってもらえるんだろうか…」「ありがたいなぁ…」と照れ笑いしながら、イタヤ細工や樹皮細工を愛おしそうに見つめていました。

寒冷地で育つイタヤカエデのしなりの強さが、丈夫で長持ちするイタヤ細工を生み出していると思うと、極寒の冬がもたらす恵みによって文化が築かれ続いていることに気付かされます。