十文字和紙の楮ふかしと皮むき

秋田県横手市で作られている十文字和紙の「楮ふかし」を見学させていただきました。

楮ふかしとは、和紙の原料となる楮(こうぞ)を釜で蒸して、皮をむく作業のこと。和紙作りのなかでも人手が必要な大がかりな作業で、年に1回この時期に行われます。

 

楮を蒸かすのは、和紙職人である佐々木清男さんの家に伝わる専用の釜。

   

 

ドラム缶のような円柱形で、そこに束ねた楮を縦に入れて1時間ほど蒸します。

  

  

これを10回ほど繰り返します。2日がかりの作業です。

   

 

楮を蒸したら、まだ熱いうちに表面の皮をはいでいきます。これが和紙の原料になります。

 

 

コツを掴めばスルッとむけますが、難しいのは皮が細くならないよう綺麗に(でも迅速に)むくこと。

この後、粗皮(そひ)取りといって、皮の白い部分や黒い(茶色い)部分をそれぞれ剥(は)ぐ作業が待っているため、できるだけ太い状態でむくのが大切だそう。

   

 

一緒に行った子どもが体験させてもらいましたが、どうしても皮が細く切れてしまい、、、作業の難しさを実感しました。(でもスルッと綺麗にむけたときは、かなり爽快!)

   

和紙の製作工程は、楮育て→楮刈り→楮ふかし・皮むき→皮干し→粗皮とり→白皮を煮る・水に晒す→楮たたき→材料を混ぜる→紙漉き という、長~い工程があります。

   

 

江戸時代から200年来、機械を使わず昔ながらの手法で和紙を作る佐々木清男さんを支えるのは、十文字和紙愛好会の仲間たち。

この日も、十数人の仲間や近所の方々が手伝いに訪れ、工房は煙と熱気に包まれていました。

    

 

たくさんの人々によって大切に守り継がれてきた和紙の歴史に思いを馳せながら、この場に立ち会えて、なんだかすごく幸せな気持ちになりました。

和紙で繋がる出会いと歴史、素敵だなぁ…と。

  

 

和紙作りは、冬の仕事。

寒い時期の作業は決して楽ではありませんが、こうした長く厳しい道のりがあるからこそ、仲間たちの結束も強いのかもしれません。 

    

 

あたたかく優しい風合いを宿す十文字和紙。

縁に耳があるのも、手漉き和紙の魅力のひとつです。 

    

 

この穏やかで優しい耳(縁)に、手漉き和紙ならではのあたたかさ、作り手の呼吸のようなものを感じることができるんですよね。

書き心地もほんわか優しくて、インクの吸収も良いところが好きです。

     

  

さぁ、今年はどんな和紙ができあがるのか、楽しみに待ちたいと思います。

  

 

 

 

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