前回のブログに引き続き、田口さんの樹皮細工についてです。
「山に行く」ことが日常生活の一部になっていて、ご自宅&工房にお電話しても「今日は山に行ってる」ということが多い田口さん。

工房には、箕に使う材料だけでなく、山で採れた多種多様な樹々や皮が、きれいに並んでいます。
田口さんが作る箕は工芸品のような精巧な作りで、その圧倒的な存在感に、思わず言葉を忘れて見惚れてしまう美しさがあるのですが、

「あそびと実験」と称して作っている樹皮細工には、田口さんの純粋な好奇心が表れているので、箕とはまた違った魅力があり、私はすごく好きです。
制作途中の樹皮細工からは、『この樹には、どんな個性があるかな?』『どう仕立てたら、魅力が引き立つかな?』など、田口さんの親心に似た心の声が聞こえてきます。

「道具入れとして使ってね」と言って託されたこちらは、山桜の樹皮を乾燥させて作ったもので、剪定ばさみなどを入れるものだそう。

自宅に戻り、さて何を入れようかと考えましたが、わが家の錆びた剪定ばさみを入れるには、もったいなさ過ぎる…!ということで、、、
中に小さな瓶を入れ紐を付けて、花器にしました!

飾っているのは、ミントと大根の花。(そう、わが家の大根、花が咲いてしまったのです、、、涙)
綺麗なお花がいいかなと思いましたが、わが家の小さな畑に生えた野草たちが良く似合ったので、それらを飾ろうと思います。
写真の下の方には、子ども達の靴がわんさか散らばっているのですが(…)田口さんのおかげで、雑多な玄関がホッと和む空間になりました。

野草が似合う花器、素敵です。
・秋田魁新報 ハラカラ「秋田の箕はどうしてこんなに美しい?」https://www.sakigake.jp/news/article/20210621AK0023/(2021年6月25日)
・【お知らせ】ハラカラにコラムを掲載していただきました(ブログ→)
・【秋田の手仕事】田口召平さんの樹皮細工(ブログ→)