2021年のGWは昨年に引き続き、祖父母にも会えず、遠出もできませんでした。
わが家には4歳と2歳の娘がいて、子ども達と過ごす時間は楽しいけれど、制限の多い連休は疲労感と閉塞感のダブルパンチが身に堪えます。
なのでこの機会に、子ども達と手仕事にチャレンジしてみることに。
題して「GWのちっちゃなチャレンジ 子どもの手仕事」。

手仕事と言っても、何かを創作する訳ではありません。
道具を使って削ったり、切ったり、回したり、暮らしに身近な手仕事に1日1つ挑戦していみるというゆるい企画で、道具の使い方や動きを体験することが目的です。
制作ではないので成果は求めず、子どもが嫌がったり飽きたらすぐに辞めるというルールだけ決めました。
無理矢理なイベント感ですが(笑)、ワンオペの長期休みは子どものエネルギーと反比例するように、私はグッタリ消耗していくので、私がやりたいことと子どもの興味の接点を探ろうと思いつきました。
【1日目、鉛筆削り】
カッターで鉛筆を削ってみます。
4歳児は鉛筆より色鉛筆の方が日常的なので、色鉛筆研ぎを。ただ色鉛筆は芯が柔らかいので、難易度は少し高めでした。
▶用意したもの 鉛筆、色鉛筆、カッター、ごみ箱
▶所要時間 15分
▶ポイント 削り始めはゴミ箱に削りかすを入れることが難しく、結構な勢いで部屋中に飛び散るので、床にレジャーシートを敷いて始めるのが良いです。

いびつながらも、とりあえず1本削ってみて「できる!」と気付いた4歳児。勢いづいて、5、6本削ってみてニコニコ、満足気でした。

2歳児は、初めてのカッター。補佐しながらチャレンジしてみましたが、最後はもっとやりたくてレジャーシートを切り裂いてました。はさみとは違う刃の切れ味が新鮮だったようです。
【2日目、布を切る】
ルールはなく、好きなようにただひたすら布を切ります。
▶用意したもの…着れなくなった洋服、布用はさみ
▶所要時間 15~30分
▶注意:2歳児には「これはもう着れなくなってしまった服だから、特別に切ってもいい」と事前に説明しました。

普段はもう全っ然、母の言うことを聞いてくれない子たちも、道具を持った一瞬だけは静かになってくれます。特にはさみは好きらしく、真剣な表情でひたすらジョキジョキしていました。

大人もそうですが、この作業のこの感覚が好きとか、道具との相性ってありますよね。無心でその作業をすることがストレス発散に繋がることも。自分が好きな作業や道具を知ることは、大事なことだと思います。
ちなみに4歳児は、床に置いた方が布は切りやすいと途中から気付いたようです。
【3日目、針仕事】
これは大失敗の巻でした。
好きな色の糸を選んで、針に糸を通すところまではノリノリでしたが、布の中から針がニュッと出てくるのが怖かったらしく「こわっ!」を連発の4歳児。
みるみる気持ちが離れていき、ものの3分で「もうや〜らない!」となりました。
▶用意したもの…針、糸、布、はさみ
▶所要時間 3分?

ちなみに2歳児は、洋裁箱の中から昨日使った布用ハサミを見つけて、水を得た魚のように今日はひたすら糸を切っていましたが、そんな次女の姿に嫉妬した長女が糸を奪って、姉妹喧嘩が勃発…。
糸で指を切るというアクシデントもあり、私の怒り声で強制終了となりました。針仕事は、まだちょっと早かったようです。
【4日目 風呂敷包み】
風呂敷で何かを包みます。
昨日のチャレンジが大失敗だったので、今日は遊び要素が多いものを。
▶用意したもの…風呂敷、大判ハンカチなど
▶所要時間 1時間くらい

お気に入りの人形やおもちゃを、まるっと包んで「何が入ってるか当てるゲーム」をしたら、キャッキャと遊びだし1時間くらい何かをひたすら包んでいました。(ちなみに翌日も、翌々日も、この遊びが度々登場)

家にある風呂敷では足りず、赤ちゃん用のブランケットも引っ張り出してきて座布団を包んだり、家中モノがひっくりかえって、しっちゃかめっちゃかになりましたが、形に応じた包み方もそれとなく体験できた…ような気がします。
【5日目 やすりがけ】
木にやすりをかけて、仕上げに油を塗ります。
木のうつわに油性マッキーで落書き…、こんなギョッとするような珍事件が日常茶飯事なわが家ですが、今回はこれを元の姿に直します。
▶用意したもの…布やすり(80番、120番)、やるすもの、食用油
▶所要時間 15分
※子どもは力がないので、紙やすりより、布やすりの方が使いやすく、番手もなるべく粗い方が良かったです。

「えーこれ落ちるの?消えるの?」と言いながら、興味津々でやすりがけをしてくれました。2人で15分くらい。

仕上げは、普段使いのオリーブオイルを布で塗ったら「もとに戻ったー!」と大喜び。小さな達成感が味わえたようです。

やすりがけは大人でも飽きてしまう地味な作業ですが、今回は「落書きを落とす」という分かりやすい目的があったので、視覚的な変化を楽しみながらチャレンジできました。
【6日目 ねじまわし】
ネジをまわすだけ。
ですが、ドライバーを定位置で固定させながら指でクルクル回すという動作は、暮らしの中にはほぼありません。
その動作を理解し、動きを習得するには少し時間がかかります。
▶用意したもの…木、ネジ、ドライバー
▶所要時間 15分(~1時間?)
▶ポイント ネジを回すのは結構な力が必要なので、キリなどで下穴を(気持ち大きめに)開けておくと、ネジが入りやすいです。

2歳児は挑戦してみて1分くらいで諦めていましたが、初めてドライバーを使った4歳児は、5分くらいで感覚を身に付け、ご飯もそっちのけで何度も何度もネジを回していました。

くるくる回りながらネジが入っていく様子と、木片とネジ山がピタッと合う最後の感覚が気持ちよかったようです。そう言えば、こんな子どものオモチャもありましたよね。興味の対象が意外で、とても驚きました。
ちなみに、アイロンがけは「あーこれ知ってるから」と言って、チャレンジすらしてくれませんでした。私がいつもつまらなそうにアイロンをかける様子を見ていたのか、興味が湧かなかったようす。
子どものやる気は、その時の気分や環境に大きく左右されますが、きっと親の興味も少なからず影響しているのだと思います。
手仕事は地味な作業の連続ですが、こうして注目してみると「手」や「思考」が色んな動きをしていることが分かります。
子どもの世界でも大人の世界でも、成果や結果が重要視される今日において、あえて過程や作業そのものに着目することは、実はとても大事なことではないかと思っています。
いつもとはちょっと違った思考や視点に出会えるし、普段は見逃しがちな子の成長も少し立ち止まって見ることができます。
私も子育て真っ最中なので、まだきちんと俯瞰はできていませんが、こうした日々の小さな体験が好奇心や興味に繋がっていくといいなと思います。
いつもと何も変わらないけど、ちょっとだけ特別な体験ができたGWでした。