削り花を調べていたら笹野一刀彫に出会いました

先月、ブログInstagramを通して、削り花にまつわる情報の提供を呼びかけました()。

 

お墓に供えるものなので写真を送っていただくことに少し抵抗があったのですが、「削り花って全国共通じゃなかったの?」とか「どこの地域も同じ形なのかと思ってた!」というお声も聞こえてきて、おかげさまで共感してくだる方も多く、各地から貴重な写真や情報をお寄せいただくことができました。

本当にありがとうございます。

 

送っていただいた写真や情報は(送っていただいた方の許可を得て)、次号のフリーペーパーに掲載させていただきます。

現地調査は好きなのですが、このご時世、自由に出歩くこともできないし、彼岸花という特殊な習俗なので安易にお墓に入ることもできないし…、なので思い切ってSNSで呼び掛けて良かったなぁと感じています。

 

  

  

そんな中、Instagramで知り合った方に「こんなものがありますよ~」と教えていただいたのが、こちら「笹野一刀彫」。

 

実はこれは、削り花(彼岸花)とは少し違う習俗のもので、火事除けなどのお守りとして古くから親しまれている神花です。仏壇や神棚、玄関などに飾るものだそう。

コシアブラの木を削って作られていますが、繊細なフォルムと見事な造形はため息が出るほど美しく、鳥のようなモコモコの雰囲気もキュート♡です。

 

 

これは米沢市にある笹野民芸館で冬の間に作られていますが、私が電話で問い合わせたときに、たまたま在庫が残っていたため、運良くわが家に迎えることができました。

箱を開けた瞬間、ふわ~っとした感動に包まれ幸せな気持ちになりました。

  

 

生花の代用品として作られ始めたという経緯は削り花と同じで、花を慈しむ東北の人々の豊かな心を感じることができます。

 

このように、削り花を起点として、私の興味や調査の対象は多方面にどんどん広がっています。

削り花→削りかけ→アイヌ文化のイナウ→そしてまた削り花へと。送っていただいた写真をそれぞれ見比べたり、本や資料を読み直したり、民俗学者の論文を読んだり、久しぶりに読書三昧、資料尽くしの生活を送っています。

信仰が絡む風習や民俗文化は境界線が曖昧なので、興味や謎は尽きるどころか、どんどん深まっていますが(もはや終着点がぼやけて見えない…!)なんとか区切りをつけて、フリーペーパーも完成させたいと思います。

  

 

秋田の手仕事を紹介するフリーペーパー「いま、秋田村から vol.6」は、削り花の特集です。どうぞお楽しみに!

フリーペーパーバックナンバー、vol.1~vol.2は在庫がなくなってしまいましたが、vol.3~vol.5 はまだあります。オンラインショップのこちらから入手できます。(本紙は無料ですが、送料がかかります)

https://nowvillages.shop-pro.jp/

どうぞよろしくお願いいたします。

  

   

  

   

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