【秋田折々】くまくま園で学んだこと

マタギの村・阿仁にある「くまくま園」に行ってきました。

秋田では連日のように熊被害のニュースが流れ、ケガをされたり亡くなられた方もいる中で、熊を観賞するってどうなの? という気持ちも正直ありましたが、行きたかった理由があります。

近所でも熊の目撃情報が相次ぎ、大人からの「熊に気を付けて」という注意喚起に4歳の長女が過敏に反応してしまい、日が暮れて暗くなったりお散歩で茂みのようなところを歩くたびに「熊が来る!怖い怖い、早く帰ろう!」と言うようになっていました。もちろん恐怖心を抱くことは大事だし、気を付けるに越したことはありませんが、日常生活がままならないほど怯えてしまっては可哀想だなぁと。未だ見ぬ熊をオバケか何かのように怖がる娘に、熊の容姿をしっかりと見せて、生態をきちんと知ってもらいたいと思ったのです。

くまくま園の入口には熊の石像や動物の木彫が設置され、和やかなムードでゲートをくぐりましたが、最初の檻には要注意の看板が。赤と黄色と黒で大きく【猛獣の檻】と書かれ、その下には【転落した場合は、救出不可能です】と書いてあります。血の気がサーっと引きました (゚д゚lll)。

「見たい!見たい!!」とせがむ娘を、いつもより強く抱きしめながら柵を見下ろすと、下にいた熊と目が合い「やぁ、こんにちわ」と言わんばかりに右手をゆっくり上げてくれました。あれが猛獣か…と、内心ビクビクしながらも、着ぐるみっぽいその仕草に少しだけ恐怖心が解け、顔がほころぶ私たち。(人間って単純。笑)

子熊の檻に飼育員さんがいたので「熊って、人に慣れるんですか?」と聞くと「慣れるよ~、赤ちゃんの頃からいるからね、ここの熊は。」と答えが返ってきました。飼育員さんはまるで猫とじゃれ合うかのように、子熊のお腹を撫でて遊んでいます。同じ熊でも、生まれ育った環境が違うとこんなにも差が生じるのかと驚き、目の前の光景を不思議に眺めました。

飼育員さんによると、冬眠は大きい熊だと半年くらい寝ていることもあるのだとか。逆に子熊はお腹が空いてちょこちょこ起きてしまったり、ほっそり痩せてきてしまうこともあるので、容態をしっかり観察しながら冬眠の途中でエサをあげるのだそう。一口に冬眠と言っても、熊によって千差万別。秋にたっぷり食事をしておかないと、体力が持たず力尽きて死んでしまう熊もいて、野生ではその割合が多いそうです。冬眠も命がけなんですね。

園内には、熊の生体や行動を学習できる展示もあり、知っているようで知らない事がたくさんありました。森の中で鉢合わせしてしまった時の対処法を読みながら、頭の中でシュミレーションしてみたり。正しい情報を得ることは大事だなぁとつくづく思いました。熊にエサをあげられるコーナーもあり、モソモソ動きながらエサを食べる様子がツボに入った娘たちは、檻の中に夢中でエサを投げていました。この体験で親近感が湧いたようです。

くまくま園に行くまでは、熊を観賞することに後ろめたさがあったけど、こうした施設があるからこそ、熊の生体や特徴をきちんと知ることができるのだと実感。コロナもそうですが、大事なのは “しっかりした知識を得たうえで、正しく恐れること” なのだと思います。熊には熊の事情があること(もちろん人にも人の事情があります)、人と自然界は相容れない境界線が存在しているということを心に留めておくことが大事だと教えられたような気がしました。

娘にどのくらい響いたか(伝わったか)分かりませんが、くまくま園に行ってからは熊を異常に恐れることはなくなり、夕方の買い物も落ち着いて行けるようになりました。自然と共存するためのルールを心がけ、恐怖心を正しい知識に変換しながら、他者や動物の気持ちを想像できる人に育ってくれたらいいなぁと思います。ありがとう、くまくま園。

※くまくま園は、熊たちが冬眠に入るため11月3日で閉園しました。また来年の春に再開するそうです。

   

<おまけ①> 阿仁に続く道は絶景の連続、訪れたのは紅葉シーズンだったので燃えるような景色が拝めました。手前には内陸線の線路🚃。阿仁合駅にあるレストラン「こぐま亭」は大人気で1時間待ちでした。

<おまけ②> くまくま園に近い道の駅阿仁で買った「マタギの里 りんごっこジュース(480円)」と「バター餅(200円)」が安くて最高に美味しかったです。阿仁に行く方はおススメ!買いですよ~。

  

  

  

  

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