八橋人形(やばせ・にんぎょう)とは、秋田市の八橋地区に古くから伝わる郷土玩具で、天神様や雛人形、干支や招き猫、七福神などさまざまな土人形が作られています。
制作するのは、八橋人形伝承の会。郷土玩具の蒐集家でもある梅津秀さんが率いる有志の会で、八橋人形を愛する十数人のメンバーで構成されています。

私が八橋人形に出合ったのは、秋田に来てすぐの頃。
たまたま地方のニュース番組を見ていたら梅津さんたちの活動が取り上げられていて「こんな可愛い人形が秋田にあるんだ!」と驚きました。

しかも今では珍しい土人形。型や粘土の管理から、窯での焼成や絵付けなど、とにかく手間と時間がかかります。
八橋人形については、フリーペーパー「いま、秋田村から」vol.2でも紹介させていただき、河北新報の評論「座標」でも書かせていただいたのですが、梅津さんたちの活動が素晴らしいのは、受け継いだ型で郷土玩具を復刻させるだけでなく新作にも果敢に挑戦しているところ。

現状維持をすることが精一杯になりがちな伝統文化において、こうした前向きな取り組みはとても大切だと思います。
200年の伝統を持つ八橋人形ですが、長い歴史を気負うことなく楽しみながら受け継いでいる様子が伝わってきます。心なしか、人形たちも生き生きと輝いているよう (*^-^*)。

最近は「鳩笛」の復刻を試みているそう。
実は私も「秋田の民芸(秋田魁新報社)」という本で鳩笛の存在を知り、復刻されるのを心待ちにしていました。「ホ~ホ~」と音が鳴る鳩の形をした笛で、子どもたちの玩具ですが、一説には子どもが喉に食べ物を詰まらせない呪具として親しまれていた歴史もあるとか。食膳に置くと良いという言い伝えは、子を持つ親としては何となく分かるような気もするし、親近感が湧いてきます。
健やかに育って欲しい、成長して欲しいという願いが込められた鳩笛、出来上がりが今から楽しみです。

八橋人形は、オンラインショップで販売しています。興味のある方は、ぜひのぞいてみてください。
・八橋人形「お相撲さん」 http://nowvillages.shop-pro.jp/?pid=138861786
・八橋人形「秋田犬」 http://nowvillages.shop-pro.jp/?pid=141960340
・八橋人形「干支のねずみ」 http://nowvillages.shop-pro.jp/?pid=146281244